白色申告者の記帳・記録保存制度

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2014.10.31

[平成26年4月1日現在法令等]

 

1 白色申告者の記帳・記録保存制度の概要

 

我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。

1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。

青色申告者については、一定の要件を備えた帳簿書類を備え付け、記録し、保存するよう定められていますが、白色申告者のうち一定の人に対しても、記帳制度や記録保存制度が設けられています。

(注)個人の白色申告者のうち前々年分あるいは前年分の事業所得、不動産所得又は山林所得の合計額が300万円を超える方に必要とされていた記帳と帳簿書類の保存が、これらの所得を生ずべき業務を行う全ての方(所得税の申告の必要がない方を含みます。)について、平成26年1月から同様に必要になります。

 

2 記帳制度

 

(1)記帳する必要のある人

不動産所得、事業所得又は山林所得のある人で、次のイ又はロのどちらかに当てはまる場合です。

イ その年の前年12月31日において、確定申告等により確定している前々年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

ロ その年の3月31日において、確定申告等により確定している前年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

(注)これらの所得のいずれかが赤字であるときは、黒字の金額だけを合計したところで300万円を超えるかどうかを判定します。

 

(2) 記帳する事項

売上げなどの総収入金額と仕入れその他必要経費に関する事項です。

記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。

記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にする必要があります。

 

3 記録保存制度

 

(1)帳簿などの保存が必要である人

不動産所得、事業所得又は山林所得のある人で、その年の前年12月31日において、前々年分の所得税又はその年の3月31日において、前年分の所得税について次のイからハまでのいずれかに当たる人です。

イ 確定申告書を提出している人

ロ 税務署長から所得金額などについて決定を受けている人

ハ 総収入金額報告書を提出している人

(注)総収入金額報告書とは、不動産所得、事業所得及び山林所得の収入金額の合計額が3千万円を超える人のうち、確定申告書を提出していない人が提出するものです。

 

(2)帳簿などの保存期間及び保存場所

帳簿や書類を5年間(記帳制度適用者が記帳制度に基づいて作成した帳簿については7年間)、納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する必要があります。

 

(所法148、231の2、231の3、所規101~103)

 

出典:国税庁ウェブサイト(<a href="https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2080.htm" target="_blank">白色申告者の記帳・記録保存制度</a>)

 

意見・感想

最近、白色申告をされていた方から記帳及び帳簿の保存についてご質問を受けることが多いので、どのような方が平成26年1月1日から記帳及び帳簿の保存が必要になるかをまとめてみました。以前にも述べましたが白色申告と青色申告の手間の差が少なくなっている昨今、これを機会に青色申告に取り組むのも宜しいのではないかと思います。税理士 茂見寛二

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